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「俺チャレ2013 紀伊半島縦断して熊野灘にでんして帰る~前半~」のつづきです。

あらすじ
4月17日午前4時に自宅を出発し、腹痛と戦いながら熊野灘に到着した僕は、自宅へむけて再び紀伊山地を縦断するのだった。



~~~~~


さあ、家に帰ろう。
熊野灘から再び紀伊山地を縦断し、大阪へ向かおう。

ここまでずいぶん走った気はするが、これでまだ半分。
けれど体調は問題ない。体のどこも痛くない。
念のためにと準備した輪行バッグもどうやら出番はなさそうだ。いざとなったら新宮から電車というリタイヤコースも考慮していたのだけれど。

七里御浜
延々とつづく七里御浜を横手に見ながら30km/hで疾走する。
久しぶりの平地だ。奈良盆地からこっち、すべて山岳路を越えてきたのだ。

それにしてもこの体の痛みの無さはどうしたことか。
Fizik Arianteと僕の尻が相性抜群なのは間違いなかった。
それに加え、やはり手組み中華カーボンホイール&Velofrex Criteriumの相乗効果なのか。素晴らしく乗り心地の良い足回りはロングライドでこそその真価を発揮する。脚はまったく衰えていない。何なら今から十三峠TTだってできてしまいそうだ。
いや、もちろんそうでなくては紀伊山地縦断なんて不可能なんだろうけれど。
しかし物事はそれほど順調に進まない。
新宮へむけてR42を走行していると、頬にポツリと冷たい感覚があった。
すぐに花粉症対策メガネのレンズにもポツポツと雨粒が球形のレンズをつくる。

前夜の天気予報では雨なんてまったく気配もなかったのに。
嘆いていても仕方ない。道中真っ先に目に入ったサークルKへピットイン。今後の行動予定を検討する。

脚はまだ大丈夫だけれど雨は危険だ。体力の消耗は今までの比じゃないだろうし、カーボンリムのブレーキ性能にも不安が残る。もし本降りになるようなら、山に入る前にリタイヤするしかない。

カップヌードルで体を暖めながら、スマホで天気予報を確認。現在地の降水確率は12時~18時で50%、18時以後では20%にまで低下する。どうやら雨脚は強くならないだろう。

加えてこれから走破予定の奈良県十津川村の天気を確認する。
こちらはどうやら雨は降らない。大丈夫だ。リタイヤする必要はない。

オーケー、再出発だ。

雨の熊野川河口

雨の熊野川河口バイク
小雨の降る熊野川河口を渡り、新宮市内でR168へ。
山道に入る前にローソンで補給食購入。スニッカーズ3本と羊羹2本。おにぎりを1個。さらにCATEYE HL-EL520用のアルカリ乾電池を購入してナイトライドに備える。
往路での経験から補給食はもう少し欲しかったがポケットに入れる隙間がなかった。仕方ないので本宮で追加購入しとうと思う。


そして本宮到着。
予想通り内陸部に入ると雨は止み、太陽が顔を見せていた。

本宮大社


熊野本宮大社の大鳥居で記念撮影。もういい時間だし、神社に参拝する余裕はない。
日が落ちる前に少しでも距離を稼ごうと思う。
補給食を追加購入する予定だったコンビニは見つからなかった。
五條までは山岳路を100kmあるが大丈夫なのか?
少し不安を感じつつも、体調は良かったのでそのままR168を北上する。

R168バイパス
そして驚愕の168号線。
なにこの綺麗なバイパスすごすぎる!

168号線が生まれ変わっていた。山間をくねくね進む道で、台風のせいで起きた土砂崩れのために迂回路なんかも頻繁にあるイメージだったのに。たしかにバイパスの建設は進められていたようだったが、それがもう出来上がっていたなんて。
新しいバイパスは真っ直ぐに山中を貫き、斜度も以前よりぐっと楽になっていた。

十津川温泉
これ幸いと快適に巡航をつづけ、日のあるうちに十津川温泉を通過した。

R169に夕闇
けれど周囲が明るかったのは十津川温泉を抜けて数km先のところまで。
風屋ダムの手前でR168は夕闇に包まれた。

これ以後は完全なナイトライド。
紀伊半島のど真ん中で、街灯のない山道が延々70km程つづく。
よって写真撮影もなし。


復路はこんな感じ


夜の山岳巡航は時間の経過が遅い。
暗闇のもたらす不安のせいなのか。いくらペダルを回しても回しても、いっこうに距離を稼げない。
時おり追い抜いていく乗用車のヘッドライトが頼もしい。
LezynePOWERDRIVEは暗闇を明るく照らしだしているが、やはり電池残量が心配だ。残量計は徐々に赤く色を変え、残50%を切ったことを知らせている。ここに18650電池がもう2本もあればどれほど心強いことか。

風屋貯水池を通過する途中、補給食が底をついた。
五條まで残り約50km地点。
やはり予想以上に進行スピードが遅いのだ。
普段なら残りたったの50kmというところだが果たして大丈夫なのか?
ハンガーノックの恐怖を感じながらペダルに淡々と力をこめる。

真っ暗闇の風屋貯水池を過ぎると、観光地で有名な谷瀬の吊り橋をかすめR168は北上する。
まさかこんな夜中に谷瀬の吊り橋を通過する事になるなんて。
夜空を見上げると月と星が煌いていた。
ヘッドライトを消せばもっとよく見えるかもしれない。漫画「ろんぐらいだぁす」にもそんなシーンがあったよな。
そう思ったが停車することはできない。そこはかとない不安が背中を押す。こんなところで止まるのは嫌だった。止まったとたん、周囲の闇に飲み込まれてしまいそうだった。

そして不安は現実になる。
場所はたしか旧大塔村付近。風屋貯水池から猿谷ダムに抜ける中間あたりだったと思う。
前々回のエントリーに書いたとおりだが、体長1メートルほどはあろうかという大型犬が現れたのだ。
決死のスプリントでピンチを切り抜けたわけだが反省する点が多々ある。

その後いろいろと考えたが、今回のアクシデントは自分の未熟さに起因するものに違いない。
ルート設定と通過時間の考慮が浅はかだったのだ。さらに加えれば補給食の準備から18650電池の予備確保までなっていなかった。

紀伊山地の最奥部と言ってもいいような場所で、あんな時間に無防備な単独サイクリングなどあり得ない。
今回は犬一匹だから何とかなったものの、これが例えば野犬の群れだったら? 子連れの母イノシシだったら?
こちらも死に物狂いで逃げたが、それは野生動物にしても同じことだ。特に子連れの母イノシシなんかは命をかけて襲い掛かってくる。イノシシの体重は200kg~300kgにもなる。生身の人間が戦ってどうにかなる相手ではない。
夜の山中はそういう領域だ。
だから人間は火と共に寝起きし、集落を作って生活するようになったのだ。

さて、大型犬とのスプリントを制した後は、いよいよ復路の難所があらわれる。
猿谷貯水池を過ぎると登坂車線つきの激坂ルートが待っているのだ。

激坂とは言え、犬に襲われた恐怖もあってスピードは落としたくない。
けれどさすがに疲れがたまってきたようだ。補給食も底を突いている。無理なヒルクライムはできない。かと言って脚をついて休憩する勇気もない。
ここはヒルクライムの基本に返り、淡々と激坂を進むしかない。
R168は往路のR169に比べて標高差の少ないイメージだったが、どうやら全くそうでもない。R168も十分にきつい山岳ルートだ。

いつまでたっても終わらない激坂がくねくねと山肌を縫っていく。
いい加減にしてくれと思った頃、道路端の看板でこの先に「大塔星のくに」がある事がわかった。
ここでようやくこのルートの起伏を思い出した。「星のくに」が激坂の頂上だ。そこを越えればあとはダウンヒルあるのみ。仮に頂上でハンガーノックになったとしても、ダウンヒルだけなら五條に辿り着ける。五條まで下れば食事を取ることができる。

必死の思いで激坂をクリアし、星のくに併設の道の駅「吉野路大塔」でピットストップ。
売店はすべて閉店後で食事は何も取れないが、自販機でアクエリアスを購入し一気に飲み干した。
自販機の明かりが有難い。ここなら野生生物は襲ってこないだろう。駐車場にべたりと座り込み、ようやく一息ついた。
そういえば300km超のロングライドなのに、ここまでコンビニ補給食しか食べていない。
五條に辿り着いたら、どこかお店に入って暖かい食事をとろう。

そして「星のくに」を出発するとスーパーロングなダウンヒルが約20km、五條市街地まで延々とつづく。
しかしこのダウンヒルは辛かった。
何も道路が悪いわけではない。とにかく寒かったのだ。
ここでも僕の準備の甘さが露呈した。このあたりの気温は夜間10度ほどまで低下する。今回の僕の服装では明らかに薄着すぎたのだ。
往路で手に入れた腹巻がわりのフリーペーパーはずっと装備したままだが、それでも我慢できないほど寒い。
震えながらのダウンヒルがつづき、肩と首がガチガチに凝り固まった。
腹も空いている。早く何か暖かいものが食べたい。暖かい風呂に入りたい。
1時間近くダウンヒルをつづけ、ようやく山々の合間に人里の明かりが見えた。

やった!
帰ってきた!
これで暗闇とはおさらばだ。

小さな村を通り過ぎ、サークルKが現れる。
けれど今回はスルーだ。座れるお店でゆっくり休憩がしたい。

そして長かったR168の旅は終わり、本陣の交差点でR24とR310に行き当たる。
R24は和歌山と奈良を結ぶ二桁国道だ。幹線道路だから夜間でもゆっくり食事のできる店が必ずある。
交差点で周囲を見渡すとすぐにガストが見つかった。
この際、ガストでも何でもいい。とにかく飯だ!

ガストハンバーグ
そしてチーズハンバーグセット登場。
何者にも替えがたい至高の旨さを味わった。
旨い。マジ旨い。全身に肉の旨みが染み渡る。活力が徐々に蘇ってくる。

ここでようやくスマホを取り出し時間を確認した。
22時だった。
これは日付がかわるな。
嫁に電話をかけ、先に寝ているように伝える。

大阪までまだ距離はある。
輪行バッグがあるから五條から電車で帰宅もできるが、ここまで来てそれはない。
何よりも体力が復活していた。
脚に痛みはあるか?
いや、ない。肩は少し凝っているけれど、脚はまだまだがんばれる。
ならば行くしかない。
R310で和泉山脈を越えよう。そして自走で家まで帰るのだ。

今回のラストヒルクライム。
国道310号線。金剛トンネル(奈良側)は関西ヒルクライムTTに登録されたヒルクライムコースである。
深夜の山越えとなるが人里近いコースなのでR168のような恐怖もない・・・と思う。

以下は関西ヒルクライムTTから抜粋。

コース名 金剛トンネル(奈良側)
標高差  395m
距離   4.5km
平均斜度 8.7%
最大斜度 25.0%

距離も標高差も普段走っている十三峠と比べて大差ない。けれど300kmロングライド後のTTはさすがに無理だ。ここはやはり淡々といこう。
それでも最後に出し切った感が欲しくてアウター縛り発動。
ゆっくりゆっくり、噛み締めるような速度でコースを登りきり、頂上トンネル前で久しぶりにカメラを取り出した。
頂上に上がるまでに四輪車1台、自動二輪車2台とすれ違っている。夜11時を過ぎてもR168よりよっぽど人気が多い。安心して停車できる。

金剛トンネル
写真を撮り終えたらダウンヒルだ。
金剛トンネル(大阪側)コースのスタート地点、観心寺まで一気に下りきる。
けれどこれがまた寒く、えらく長い。
昼間なら一瞬に感じる快適コースのはずが極寒のダウンヒルだ。
けれど気持ちは軽い。左右の肩を大きくグルグル回しながら、河内長野の街明かりを目指す。
徐々に気温も上がり、心地よい疲れが全身を満たしてくる。

そして河内長野駅のすぐ横でR310を右折し、旧R170を北へ。
昼間は交通量が多くて走りたくない旧外環状線だが、ナイトライドは快適だ。
気分は凱旋のパレードライド。

全身の痛みを確認する。

どこか痛いところはないか?
少し肩は凝っているけれどどこも痛くない。

脚は大丈夫か?
まだまだ行ける。補給さえきっちり段取りすれば、例えばあと100kmでも。

夜23時を越えたあたりから眠気が少し出てきていた。普段なら就寝する時間だからだろう。
けれど全身どこにも問題はなかった。

スーパーランドヌールとか、キャノンボールとか、恐ろしげな単語が脳裏をよぎったが、それも今は忘れておこう。
今回の失敗と成功を、次回に生かせればそれでいい。

そして日付がかわり、4月18日午前0時10分自宅到着。
ようやく今回のロングライドは無事に終わりを迎えた。

とりあえず近々にでも18650リチウムイオン電池を購入してこよう。



復路の走行距離 198.3km
復路の獲得標高 2534m

今回の総走行距離 361.4km
今回の総獲得標高 5373m

出発 4時00分
到着 24時10分
走行時間 20時間10分


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コメント

  1. つるみん | -

    350kmとかすごいすね。100km走って満足している自分には縁遠い世界…
    次は紀伊半島一周600kmですかねー^^

    ( 08:00 )

  2. Re:つるみんさん

    距離感が壊れきった方は1000kmとか1200kmとか行っちゃう
    みたいですし、僕なんかまだまだ若輩もいいところでして。

    600kmとなると24時間超になってしまいますから、
    やっぱり連休がないと辛いです。連休欲しいなぁ。

    ( 15:37 )

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